生酒について

ずらりと並んだ日本酒を見ていると
「生酒」という表示があるものがあります。
では、この「生酒」とはなんでしょう?


1,「生酒」とは?
日本酒は本来、絞った後に1度加熱殺菌(火入れと言います)して
貯蔵熟成し、熟成後にもう一度火入れをした後に出荷されます。
生酒とはこの火入れをしていない日本酒のことをさします。
以下の3通りの種類の「生」があります。
生 酒
通常は上に書いたように絞った後と貯蔵熟成後の2回の火入れが行われますが、その2回とも火入れを行わない物のことです。
生貯蔵酒
絞った後の火入れを行わないで貯蔵し、ビン詰めの際に1度だけ火入れを行った日本酒のことです。
生 詰
絞ったあとに1度火入れをして貯蔵熟成をさせた後に火入れをせずにそのまま出荷(蔵出し生酒)される日本酒のことです。

2,生酒の楽しみ方
生酒は火入れをしていないお酒ですから、
酒を造る酵素がそのまま生きているとてもフレッシュなお酒です。
香は穏やかでひかえめ。味には爽快感があり、短い余韻のお酒です。
食べ物の自然な甘さやうま味を感じさせるものによく合います。
保存は必ず冷蔵庫に入れてください。
光や振動も生酒は特に嫌います。
飲む際にも生酒の場合は燗をつけずに
10℃以下の冷酒で楽しむと美味しいでしょう。
基本的には生酒の一番美味しい飲み頃は
絞りたての冬から春先の時期です。
特に蔵元に直接出かけてタンクから絞ったばかりの
生酒の旨さは何とも言えない物です。
品質管理のきちんとされている店などでは
生酒が一年中味わえます。
特に夏の暑い季節にはさっぱりとして火照った体を冷やしてくれます。