吟醸・大吟醸について

当店のメニューなどに
「吟醸」や「大吟醸」という文字が多く見かけられます。
では、これは何のことでしょう


1,吟醸酒とは?

吟醸=「特に吟味して醸造した酒」という意味です。
この言葉の通り、
とても手の込んだレベルの高い技術を駆使して
作られた日本酒のことです。
フルーツや花のような華やかな香りと爽快な飲み口を
特徴としたこれまでのアクの強い日本酒とは
まったく異なる新しいタイプの日本酒です。

また、その歴史は比較的新しく、
もともとは明治40年から行われ始めた
全国清酒品評会への出品用として
特別に醸造された日本酒がそのルーツとなっています。

2,吟醸造り

吟醸造りの特徴は高度精米と低温発酵です。
高度精米と一言で言われても
なかなかピンとくる人は少ないと思います。
日本酒はその原料となる米を必要なところまで削ってしまいます。
その削る率が高いという事なのですが、
どのくらい率が高いのでしょうか?

普段、私たちがごはんとして食べているお米は、
精米率が90〜92%くらいです。
これは8〜10%を削って、
私たちの口に入る部分が90〜92%という事になります。
この8〜10%の削った部分を「ぬか」と言います。

これに対して吟醸造りの精米率は
吟醸が60%以下大吟醸が50%以下が条件となっています。

ですから、吟醸造りで必要なのは吟醸で60%、
大吟醸で50%の部分だけであり、
残りの40%,50%はぬかとして削り落としてしまうことになります。

また、普通酒の精米率は75%以下、
本醸造でも70%以下であることと比較しても、
どれだけ精米率が高いかわかっていただけると思います。

低温発酵は、文字通り温度を低く保って発酵させることをいいます。
発酵には熱が必要ですし、また発酵過程で熱が発生します。
それをなるべく低く抑えてふつうのもろみの熟成よりも
倍以上の時間をかけてじっくりと熟成させます。
「お酒をいじめて、いじめて造る酒。
だから、きたえられて極上の酒ができる。」
とは三和村在住の杜氏の言葉です。

3,吟醸酒の楽しみ方

吟醸酒や大吟醸酒は基本的に冷や、冷酒で飲む酒です。

光を遮断して冷蔵庫に冷やしておきます。
一部の例外を除いては燗には向きません。
器に注いだら、まずはその香りを楽しんでください。
華やかな香りがいっぱいに広がります。

飲み口は総じて爽やかで後に引かないキレの良い味わいですので、
それに合わせる肴も吟醸の香りと味を殺さない物が良いでしょう。
ニンニクや唐がらしのあまり効いた肴は
せっかくのお酒の香りや味を殺してしまうので
あまりおすすめはできません。

酒造りのスペシャリストたちが醸した最高の芸術品です。
どうぞ味わってみてください。